打率.439と三振わずか2 巨人・知念大成の支配下は45打席で決まった
公開日:2026-07-13
4月22日、ジャイアンツタウンで行われたファームの西武戦。守備中に外野フェンスへ激突して左膝を痛めた知念大成は、担架でグラウンドを後にしました。本人はのちに「もう諦めていました」と当時を振り返っています(サンケイスポーツ)。 それから75日後の7月6日、巨人はその知念との支配下選手契約締結を発表。背番号は育成時代の003から94に変わりました。 2軍成績は17試合・45打席で打率.439(7月12日時点・当サイト集計)。 打席数こそ少ないものの、その中身をたどると球団が半年で答えを出した理由が見えてきます。
沖縄電力からオイシックスへ、回り道の26歳
知念は2000年4月27日生まれの26歳。沖縄尚学高では最速150キロの左腕投手でしたが、 社会人の沖縄電力で5年間プレーしたのち外野手に転向し、2024年からはオイシックス新潟でプレーしました(Full-Count)。転向後の2024年に打率.323でイースタン・リーグ首位打者、 129安打はリーグトップ。それでもこの年はドラフトで指名されませんでした。 2025年は打点王のタイトルと126安打(リーグトップ)を重ね、同年10月の育成ドラフト5位でようやく巨人入り。 50メートル走5秒8の俊足も武器です(Full-Count)。
4月のOPS1.357は、フェンス激突で止まった
開幕からの月別成績を当サイトの集計(7月12日時点)で並べます。 OPS(出塁率+長打率で打者の総合力を示す指標)の推移に、シーズンの断絶がそのまま表れています。
| 月 | 試合 | 打席 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 打率 | OPS | wRC+ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3月 | 8 | 17 | 6 | 0 | 0 | .375 | .787 | 148 |
| 4月 | 5 | 15 | 8 | 0 | 3 | .571 | 1.357 | 303 |
| 5月 | 2軍出場なし(負傷離脱) | |||||||
| 6月 | 1 | 4 | 1 | 0 | 2 | .333 | .583 | 37 |
| 7月 | 3 | 9 | 3 | 1 | 3 | .375 | 1.083 | 203 |
4月17日からの4試合で15打席8安打と一気に状態を上げ、累積打率は.467まで到達していました。 その直後の4月22日に負傷。約1か月の安静を経て5月下旬に3軍戦(当サイト集計対象外)で実戦復帰し、 「本当に価値のある選手だから自信を持てよ」という会田有志3軍監督の言葉に背中を押されたと報じられています(サンケイスポーツ)。
2軍に戻ったのは6月30日。復帰後は4試合で11打数4安打、7月4日にはこれが今季1号となる本塁打を放ち、 7月の月間OPSは1.083と負傷前の水準に戻りました。7月5日の試合を最後に2軍出場はなく、翌6日に支配下発表。 数字の上でも、回復を確かめてすぐの決断だったことがわかります。
四球0、それでも三振はわずか2
シーズン通算は45打席で打率.439・出塁率.432・長打率.585、OPS1.017(7月12日時点)。 wRC+(リーグ平均を100とした得点創出力の指標)は201で、 平均的な打者の2倍の生産性という水準です。 珍しいのは出塁率が打率を下回っている点で、原因は四球が0であること(死球1・犠飛2)。 その一方で三振はわずか2、打席あたりの三振率は4.4%しかありません。 早いカウントから打ちにいき、なおかつ空振りが少ない打者像が数字から浮かびます。 ISO(長打率−打率)は.146と長打を量産するタイプではなく、安打を積み上げて長打率ごと押し上げる打ち方と考えられます。
打席30以上でOPSはチーム1位
45打席は規定打席(チーム試合数×2.7)に遠く及びません。それでも条件を「打席30以上」に緩めて 巨人2軍の打者を並べると、知念のOPSはチームの一番上に来ます(7月12日時点・当サイト集計)。
| 順 | 選手 | 試合 | 打席 | 打率 | 本塁打 | 打点 | OPS | wRC+ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 知念 大成 | 17 | 45 | .439 | 1 | 8 | 1.017 | 201 |
| 2 | リチャード | 22 | 73 | .306 | 5 | 21 | 1.010 | 205 |
| 3 | 中山 礼都 | 16 | 63 | .327 | 1 | 7 | .912 | 175 |
| 4 | 浅野 翔吾 | 49 | 173 | .333 | 4 | 26 | .905 | 177 |
| 5 | 石塚 裕惺 | 23 | 84 | .279 | 4 | 14 | .883 | 168 |
1軍経験の豊富なリチャードとOPSで並び、wRC+では205対201の僅差の2位。 173打席を積む浅野翔吾らと比べればサンプルの差は大きいものの、 外野手同士で見てもティマ(OPS.817)、三塚琉生(.779)、岡田悠希(.686)を上回っています(いずれも7月12日時点)。
起用のされ方も特徴的でした。打順は9番が11回と大半で、ほかは1番と8番が1回ずつ。 守備は左翼6・右翼6・中堅3に代打2と、外野3ポジションすべてを経験しています。 下位打線に置かれながら数字で存在感を示し、どこにでも置ける。 ベンチから見た使いやすさが、起用データにそのまま残っています。
背番号94、7月7日の初打席初安打
支配下登録の翌7月7日に1軍登録され、同日の阪神戦(東京ドーム)で代打デビュー。 高橋遥人からプロ初打席で遊撃への内野安打を放ちました。7月9日の阪神戦でも全力疾走で内野安打を記録し、 NPB公式の1軍成績は3試合・8打数3安打・打率.375(7月12日時点)。 1軍を率いる橋上秀樹監督代行はオイシックス時代の監督で、知念の打撃を最もよく知る指揮官のもとでのスタートです。
2軍の45打席で三振2、1軍の8打数でも三振2。判断材料はまだ少ないながら、当てて塁に出る形は上のレベルでも崩れていません。 1軍での打点は0(NPB公式・7月12日時点)。担架で運ばれてから3か月足らずで支配下を掴んだ26歳にとって、 次の目標はプロ初打点です。
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