4月は防御率6.00、巨人・代木大和はなぜ7月に支配下を掴んだのか
公開日:2026-07-20
4月の防御率は6.00、5月は5.11。この数字だけを見て、7月に支配下登録される左腕を思い浮かべる人はいなかったはずです。 7月20日、巨人が育成契約の代木大和(しろき やまと)と支配下契約を結びました。 春先に5〜6点台をさまよっていた22歳が、なぜ半年で支配下枠の最後の1つを勝ち取ったのか。 答えは、月別に区切った成績表のちょうど真ん中に置かれています(数字はいずれも当サイト集計・7月20日時点。2軍成績は7月15日登板分まで)。
6.00 → 5.11 → 0.27 という月別の落差
代木の今季は所属が二つに分かれます。3月は巨人、ファーム・リーグ参加球団規程による派遣で3月30日から6月末までくふうハヤテベンチャーズ静岡、 7月に巨人へ復帰という流れです。月別に並べたのが次の表です。 WHIP(1イニングあたりに許した走者数。1.00前後で優秀)も添えました。
| 月 | 所属 | 投球回 | 自責 | 防御率 | WHIP | 奪三振 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 3月 | 巨人 | 5.0 | 1 | 1.80 | 0.80 | 3 |
| 4月 | くふうハヤテ | 24.0 | 16 | 6.00 | 1.58 | 13 |
| 5月 | くふうハヤテ | 24.2 | 14 | 5.11 | 1.42 | 19 |
| 6月 | くふうハヤテ | 33.0 | 1 | 0.27 | 0.82 | 25 |
| 7月 | 巨人 | 5.1 | 0 | 0.00 | 0.19 | 5 |
4〜5月の代木は先発として打ち込まれています。4月は24回で自責16、5月も24回2/3で自責14。 WHIPが1.4〜1.6に膨らんでいて、走者を出しては失点する展開が続いていたことが読み取れます。 それが6月に一変します。33回を投げて自責1、防御率0.27。 投球回は前月から8回以上増えているのに、自責点は14から1へ落ちました。WHIPも0.82まで下がっています。 月がひとつ替わっただけで、失点の出方がまったく違う投手の成績になりました。
6月の33回・防御率0.27はファーム全体で何位か
0.27という数字が一時的な巡り合わせなのか、それとも中身の伴った好投なのか。同じ6月の他の投手と並べると輪郭がはっきりします。 6月に投球回15回以上で登板したファーム全先発は30人。その中で代木の防御率0.27は2位でした(当サイト集計・7月20日時点)。 1位はくふうハヤテの別の投手で15回・0.00ですが、代木はこの上位陣で最も多い33回を投げての0.27です。 少ないイニングで防御率を低く保つのとは意味合いが違い、量を伴った抑え込みだった点は強調しておきます。
対象を中地区に絞っても、15回以上を投げた先発12人のうち防御率2位。 6月の中地区ファーム月間MVPに選ばれたことは、この順位からも裏付けられます。 春先に打たれていた左腕が、月をまたいでリーグ上位の先発へ変わったわけです。
巨人復帰後の救援で、4試合連続無失点
6月末に巨人へ戻ってからは役割が変わり、救援での登板になりました。7月の巨人(救援)は 4登板で防御率0.00、WHIP0.19、5回1/3を投げて四球ゼロ。 3月の2登板を含めた巨人での今季通算でも、6登板・10回1/3・防御率0.87にとどまっています。 7月の登板を試合別に追うと、7月5日に2回無失点、10日に2回無失点で3奪三振、 12日に1回無失点、15日は1死を奪って無失点で1奪三振。4試合連続無失点、計5回1/3で5奪三振・四球ゼロという内容でした。 先発として33回で作った6月の数字を、短いイニングの救援でもそのまま続けた形です。 支配下登録の直接の後押しになったのは、この復帰後の無失点だったと考えられます。
背番号25、支配下枠の最後の1つ
代木は2003年9月8日生まれの22歳。愛媛県四国中央市出身の左投左打で、明徳義塾高から2021年ドラフト6位で巨人に入団しました。 2023年には球団22年ぶりとなる10代での開幕1軍入りを果たし、1軍13登板・0勝0敗・防御率5.40。 しかし2024年4月に左肘のトミー・ジョン手術を受け、2025年から育成契約に切り替わっています。最速156キロの左腕です。 今回の支配下は、その手術からの復帰の途中に置かれた節目でもあります。
巨人にとって代木は今季7人目の育成からの昇格で、これで支配下枠は上限の70人に到達しました。残っていた1枠を勝ち取った格好です。 背番号は育成の「068」から「25」へ。昨季まで岡本和真が着けていた番号です。 登録当日には1軍へ合流し、東京ドームに姿を見せています。 今季の2軍成績は合算で18登板・6勝5敗・防御率3.13(スポーツ紙の記載と一致)。 この3.13という通算値の内訳が、4〜5月の5〜6点台と6月以降の0点台という両極でできている点に、この左腕の現在地が表れています。 1軍のマウンドでどんな数字を刻むかは、巨人の投手成績や選手ページで追えるようにしていきます。
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