ソフトバンク2軍の頂点で打つ石塚綜一郎 ― wRC+199の中身を読む
公開日:2026-06-24(更新:2026-07-04)
ソフトバンクの2軍は、NPBで唯一の4軍制の頂点にあります。 3軍・4軍から突き上げる選手をふるいにかけた「最終関門」で、いま最も打っているのが石塚 綜一郎です。 7月4日時点で46試合140打席、打率.321・4本塁打・27打点・OPS.983。 チームが38勝29敗13分で西地区首位に立つ原動力になっている、この打者の中身を読み解きます。
出塁率.429と長打率.554の両立
石塚の数字は「選べる」と「飛ばせる」が高い次元で両立しているのが特徴です。 出塁率.429、長打率.554、ISO(長打率−打率。純粋な長打力).233。 wRC+(リーグ平均を100とした得点創出力)は199で、 リーグ平均のおよそ2倍の得点を生んでいる計算です。 140打席で三振24は長打型としては少なく、 打率.321が「たまたま」ではないことを裏付けています。
月別で見える「落ちない」強さ
月別推移も独特です。4月は21打席ながら打率.500・OPS1.384、 5月は72打席で打率.255と数字を落としましたが、それでもOPSは.789を確保。 6月は20打席で打率.500・OPS1.550と再び跳ね上がりました。 打率が落ちた5月も四球と長打でOPS.780台を維持したことこそ、この打者の本質です。 起用は6番11試合・5番10試合、守備は一塁22試合・左翼9試合に加え捕手1試合と、 複数ポジションをこなしながらの数字である点も価値を高めています。
後ろに続く廣瀨隆太、西尾歩真
石塚の後ろにも数字が並びます。廣瀨 隆太は 127打席で打率.298・出塁率.403・OPS.874。5月は月間打率.365・OPS1.004と量産しました。山本 恵大も 打率.343(115打席)と上位に食い込み、 出塁面では石見 颯真が 四球34で出塁率.378・9盗塁。 「石塚が抜けても次がいる」層の厚さが、このチームの本当の恐ろしさです。
秋広優人は「打率より四球」で読む
移籍組の秋広 優人は 打率.206と苦しんでいるように見えますが、四球26を選んで出塁率は.332。 wRC+も105とリーグ平均を上回っており、打率ほど悪い内容ではありません。 ISO.132と長打の芽も残っているため、 打率が.240台に戻るだけでOPSは.750前後まで跳ねる計算です。 数字が悪化しているのか、単に安打が出ていないだけなのか。 こういう見極めにこそ、出塁率とwRC+が役に立ちます。
投手陣 ― 大野稼頭央の防御率0.79
投手では左腕の大野 稼頭央が 5先発で3勝0敗・防御率0.79(34回)。北斗も 39回1/3で防御率1.37と続き、5月・6月ともに月間防御率1.40以下と安定しています。 変わり種は中村 稔弥で、 35回2/3で奪三振37・与四球わずか3・WHIP0.87。 三振を奪いながら四球を出さない、リリーフとして理想的な内訳です。
石塚が超えるべき最後の壁
ソフトバンクの2軍で打つことは、他球団の2軍で打つことと意味が違います。 層が厚いぶん昇格枠は狭く、OPS.983でも安泰ではありません。 石塚に残された証明は「打席数」です。140打席は規定(チーム試合数×2.7)に届いておらず、 200打席を超えてもwRC+の高水準を保てるかが次の試金石になります。 月20打席前後だった出場がどこまで増えていくか、 スタメン一覧で起用の変化を追いながら見守ってください。
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