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ソフトバンク北斗、育成ドラフト最後の指名から半年で支配下になるまで

公開日:2026-07-05

2025年のドラフトで指名された選手は全体で116人。その最後、育成8位で名前を呼ばれたのがソフトバンク北斗(登録名。本名・大山北斗)です。興南高から中央大学では準硬式野球部でプレーしたという異色の経歴を持つ22歳の右腕は、 2026年7月1日に支配下選手契約を勝ち取り、背番号は164から43に変わりました。 指名から約8か月。ドラフト最下位指名の投手が、なぜこの短期間で支配下にたどり着けたのか。 当サイトの2軍データから検証します。

2軍7試合の全体像 ― 防御率1.37とBB/9 2.97

北斗の2軍公式戦デビューは5月4日。以降7月4日時点で7試合(先発6)・2勝0敗・投球回39.1・防御率1.37・完投1という成績を残しています(7月4日時点。勝敗・完投数はNPB公式の記録に基づく)。 WHIP(1イニングあたりに許した走者数。1.00前後で優秀)は1.17、 BB/9(9イニングあたりの与四球数)は2.97と、 先発投手として制球は良好な部類です。奪三振は29でK/9は6.64(いずれも7月4日時点)。 三振で圧倒するタイプではなく、走者を出しても失点を許さない試合運びが数字の芯にあります。

初先発となった5月8日には5回1安打無失点、5月20日には8回を無四球・7奪三振。 プロ入り直後から先発として長いイニングを投げ切れることを示していました。

月別推移 ― 崩れない5月と6月、決定打は6月23日の完投

当サイトの月別集計(7月4日時点)で推移を見ると、安定ぶりがよくわかります。

  • 5月:4登板(先発3)・19.1回・防御率1.40・WHIP1.14・BB/9 2.79
  • 6月:3登板(先発3)・20.0回・防御率1.35・WHIP1.20・BB/9 3.15

デビューした5月から一度も月間防御率が1点台を外れていません。 5月27日に被安打11でシーズン最悪の内容(5.1回・自責3)を経験しましたが、 次の6月3日には5回を自責0で投げ切って立て直しました。 そして支配下発表の8日前、6月23日の巨人戦で9回1失点の完投勝利。 直前の3先発(6月3日・16日・23日)は計20回で自責3という内容で、 「直前のアピールが決定打になった」という構図が数字からも裏付けられます。

ソフトバンク先発陣のなかで、どこに立っているのか

7月4日時点で30イニング以上を投げたソフトバンク2軍の投手は7人。北斗の防御率1.37は大野稼頭央(0.79)に次ぐチーム2位で、 投球回39.1も前田純(42.2回)に次ぐ2位です。 5月にデビューした投手が、開幕から投げている大関友久(30.0回・防御率1.80)や東浜巨(33.1回・同3.24)ら 実績組を投球回で上回っている点は見逃せません。 BB/9 2.97も、防御率トップの大野稼頭央(4.24)より大幅に良い数字です。

西地区首位(39勝29敗13分・勝率.574、7月4日時点)を走るチームの2軍先発ローテーションで、 育成ルーキーが柱の一本になっていました。これが支配下の答えと考えられます。

7月4日、プロの洗礼 ― 1軍初登板は2回8失点

支配下からわずか3日後の7月4日、北斗はロッテ戦で1軍初登板・初先発のマウンドに立ちました。 結果は2回65球・5安打8失点・1奪三振・与四球3(スポーツナビ、7月4日時点)。 プレーボール初球を先頭の藤原恭大に本塁打され、初登板の先発投手が初球で先頭打者本塁打を浴びるのは史上3人目、 日本人投手では初という形でプロの洗礼を受けました。

2軍でBB/9 2.97と制球でゲームを作ってきた投手が、1軍では2回で四球3。 ストライクゾーンで勝負できたファームと、甘く入れば長打になる1軍との差が、そのまま数字に出た初登板でした。 最速152km/hの直球に多彩な変化球を持つとされる投球スタイルを、1軍の打者にどう通用させるか。 課題がはっきり見えたこと自体は、次への材料になります。

次の登板で見るべきもの

2軍の39回1/3で示した制球力(BB/9 2.97)は、支配下に値する実力の証明でした。 一方で1軍初登板は、その制球がそのままでは通用しない世界があることも教えました。 1軍に再び呼ばれるにせよ、2軍で作り直すにせよ、 「2回8失点」をどう修正したかは次の登板の数字に表れます。 与四球を増やさずに長いイニングを投げ直せるか。 支配下1年目の夏の北斗を、まずはそこから追いかけてみてください。

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